第1回 『長与専斎と内務省の衛生行政』
小島和貴(総合研究所長/法学部教授)
新型コロナウイルスで注目を集めた保健所。その元となる仕組みを明治時代に作ったのが、初代内務省衛生局長の長与(ながよ)専斎(せんさい)(1838-1902)です。これまで日本行政研究の一環として長与専斎の研究に取り組み、この度、『長与専斎と内務省の衛生行政』(慶應義塾大学出版会)を執筆した小島和貴教授に、本書について、また、長与の功績や現代に通じる教えを伺いました。
■日本の衛生行政の基礎を築いた長与
長与をひと言でいえば、日本で衛生