大学受験の悔い教訓に努力を継続/人生観を揺さぶられたインド訪問
◇入学後も英語力向上に努力
私は高校時代、大学はとりあえずどこでも行けたらいいやと軽い気持ちで過ごしていました。高校3年の夏、焦りを感じて塾に通い始めました。平日は学校の後、塾で午後10時まで、休日は朝の10時から夜の10時まで塾で勉強をし、家に帰っても夜中の2時、3時まで勉強しました。その甲斐あって、英語力は飛躍的に向上しました。
しかし、他の教科に割ける時間は限られ、桃山学院大学を選んだ理由のひとつは、受験科目を絞ることができるという点でした。しかし、この選択は私の人生の転機となりました。
大学受験後、もっと早くから準備をしていればよかったと後悔しました。同じような失敗をしたくないと、将来の就職活動を見据え、英語の学習を継続し、他にも様々なことに挑戦することにしました。英語は、1回生の8月に595点だったTOEIC ®︎が、3回生の5月には795点に向上しました。
◇400以上の言語があるインド
2023年2月末から3週間、学外プログラムである「日本インド学生会議」に参加し、インドを訪問しました。インドは2022年末に中国を抜き、今や世界一の人口を誇っています。2021年末にはイギリスのGDPを抜き、勢いを増すばかりの国です。
インドには、400以上の言葉があると推定されています。これが何を意味するのか。それは、「英語」のインド国内での存在の大きさです。
ヒングリッシュ(ヒンディー語とイングリッシュの造語)と言われるほどにインドの英語は訛りが凄まじいです。英語とヒンディー語を気付かぬうちに混合して使っている人が多いことも、私がインド人と対話をする中で分かってきました。彼らは英語で会話をしているつもりが、いつの間にかヒンディー語にシフトしたり、単語だけでなく文法までヒンディー語が混ざったりします。1つの共通した言語である英語に頼り過ぎ、英語に“浸食”されているのです。
◇母語離れが深刻
私立の学校であれば小学校やそれ以前から英語での教育が行われているそうです。幼いころから英語での教育を受けて、母語に触れる機会が少なくなり、母語を話せても書くことはできなくなる人も少なくないといいます。
世界中の国の言語が1つに統一されれば、非常に“効率的”な社会が出来上がるでしょう。しかし、それでいいはずがありません。言語は、文化の根幹にあたる部分です。言語の消滅は、文化の消滅を意味します。
日本は多くの人が長い年月をかけて英語の教育を受けているのに、英語を話せるようになる人はほんの一握りです。私は日本の教育制度に問題があるとばかり考えていました。しかし、インドへ行き、この考えは180度変わりました。それは、私たちに英語が必要ないからです。母語だけで生涯困ることなく生きていける日本は非常に恵まれていると、インドで感じました。
◇インドの学生の意識の高さ
インドの学生はあらゆることに熱心で、明哲でした。
インドの大学進学率は日本に比べ低く、大学に行ける人は限られています。そのうえ、階級社会が根強く残り、階級を上げようとするなら、2~3世代はかかると言われています。そのため、しっかりとした教育を子供に受けさせたいと思う人が多く、私立学校への入学は年々競争が激化しています。その期待に応えるべく、学生は熱心に勉強します。インドの学生は何について学びたいのか明確にして大学に進学し、専門性を深めるために大学院へ行くことも普通です。
現在の日本では、ある種のモラトリアムで大学へ進学する人が多くいます。私もその1人でした。ただ、インドで「このままではだめだ」と痛感し、私に何ができるのかを考え、普段のアルバイトなどでも向上心を持ち取り組んでいます。日々の生活の中で、小さなことから意識を変えることで、人生は大きく変わっていくと思います。
◇充実した桃大のプログラム
桃大の語学研修、海外体験などのプログラムの多様さは魅力的です。学生を支援する体制、新しいことに挑戦する機会も充実しています。上手く使えば飛躍的に成長できるでしょう。国際センターや図書館など自主的に勉強できる施設が多く、海外からの留学生が多いところも気に入っています。身近なところで様々なことに触れ、多様性を養うことができると思います。
皆さんは「先を見据えなさい」や「将来のことについて考えなさい」と誰かに言われたことがありますか?私は、「将来のことなんてわからないのだし…」と真剣に考えない時もありました。しかし、「先が見えない」は希望の海であり、希望とは「先を見据える」ことです。10代、20代の私たちには多くの希望があります。今ならまだ間に合う将来はいくらでもあります。人にはそれぞれ歩く速さがあります。隣を見て焦らなくてもいいのです。
1歩ずつ。先へ進んでほしいと思います。
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