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社会調査士資格を取得/社会学部の学びで輝く

社会にあふれるデータから課題とその解決策を探るデータサイエンスの重要性が高まっています。社会学部社会学科では、政策決定や企業活動で必要とされる社会調査やデータ分析の専門家である社会調査士資格が取得できます。一般社団法人社会調査協会の「認定社会調査士」と本学独自の「桃山学院大学社会調査士」のダブル資格の取得を目指す4年次の板谷亜美さん、大明枝菜乃さん、吉藤環さんに資格取得に挑戦した理由や、桃山学院大学(以下、桃大)での学びの特色などを語り合ってもらいました。

◇ 二つの資格の取得を目指す

――社会調査士とはどういう資格なのですか。
板谷亜美さん
 大学で統計解析法、データ解析実習・社会調査実習などの単位を取得し、1万字の論文を提出すると与えられる一般社団法人社会調査協会の認定社会調査士資格と、本学独自の社会調査士資格があります。桃大の資格は2万字の論文を書き、教授会の審査をパスする必要があるなど、より厳しい内容です。

大明枝菜乃さん 私たちは3年次に社会調査協会に申請して、キャンディデイト(候補者)の資格を獲得しました。今後、大学卒業と同時に認定社会調査士資格を取得することになります。

桃大の社会学科では、2種類の社会調査士資格を目指すことができます(板谷さん)。

――社会調査士はどのようなことに取り組むのですか。
吉藤環さん
 社会的に意味のあるリサーチクエスチョンを設定し、仮説を立て、アンケート調査を行います。SPSS(統計ソフト)などを使って、アンケート結果を解析し、仮説の通りの結論なのか、それとも異なる結論になるかを統計的に検定します。社会調査実習の授業で、学内の学生約1,600人を対象にアンケート調査し、約350人から回答を得ました。私は「大学生の政治行動」について調べ、論文を執筆しました。

板谷さん 私は「習い事と親子関係の関連性」について調べました。

大明さん 私は「大学生の結婚観・子育て観」で、ワークライフバランスに関する大学生の意識を探りました。

吉藤さん 他の学生も思い思いのテーマで調査を行いました。授業で学んだ中から出てきた問いや、関心からリサーチクエスチョンを決めることが多く、「ギャンブル依存」や「宗教行動」など、幅広いテーマがありましたね。

「問いの設定⇒仮説の構築⇒調査⇒分析⇒結論」
という社会調査に必要なスキルを実践的に学びます(吉藤さん)。

◇ コロナ禍後の挑戦

――なぜ社会調査士の資格取得を目指したのですか。
板谷さん
 社会学部社会学科に入学し、何か「私はこれを頑張ってやってきた」と言えることを残したいと考えて挑戦しました。簡単な資格ではないのですが、社会学科でしか取れない資格ですので、学部の学びでどこまで頑張れるか試したい、と思ったんです。

吉藤さん コロナ禍で授業がオンラインになり、サークルにも入っていなかったので、入学から1年半は大学生らしいことが何もできていないと感じていました。そんな時、大学からメールで社会調査士の説明会の案内があり、私も「社会学科でしか取得できない資格」にチャレンジすることにしました。

大明さん 私もコロナの影響でしっかり勉強に向き合う機会がなかなかなかったので、「ちゃんと勉強したい」と思っていました。村上あかね先生の授業を受けて、社会調査士の資格があることを知り、自分の研究テーマとしても「少子高齢化」に関することを調べてみたいと考え、資格を目指すことにしました。当時は、資格取得の難しさもわかっていなかったので、「何とかなるかな」と。

社会調査士の存在や魅力を教えていただいた、
村上先生の授業をきっかけに社会調査士を目指すことにしました(大明さん)。

――実際に挑戦してみて、苦労した点は?
吉藤さん
 私は高校時代からいわゆる「文系人間」なので、統計解析など数学の知識が必要な分野はとても難しく感じました。講義で先生が言われることも、高校の数学Ⅲの公式など見たことがないものがあり、戸惑いました。高校時代から親しくていた塾の先生に、「わからないんです」と相談して教えてもらい、乗り越えました。

大明さん 数学の問題に加えて、私は語彙力の不足に悩みました。論文を書く際に、文章の書き方や適切な言い回しがわからず、一から学んでいきました。ゼミやデータ解析実習などで先生に何回も質問してサポートしていただきました。私は疑問があったらすぐに質問したいと思うので、少人数クラスで質問しやすい環境があるのがありがたかったです。桃大のいいところですね。

板谷さん アンケート調査の質問項目などについての「決まりごと」を理解するのが大変でした。質問の並び方によって回答が偏ったり、訊き方によって誤解を招いたりするので、先生にアドバイスしてもらって「決まりごと」を学びました。3年次に取り組んだ最初のアンケート調査では、質問作りに2か月かかりましたが、社会調査にとって「質問項目作りがすべて」と言って過言ではないと思います。今ではグーグルフォームなどを用いたオンラインのアンケート調査でも自信をもって取り組むことができるようになりました。

◇ 自分の可能性を発見

――社会調査士資格の取得に挑戦して得たものは?
板谷さん
 技術的な面では、表計算ソフトのエクセル、文書作成のワードなどのソフトの使い方に習熟したので、就職する金融機関の仕事で活用できると思います。ただそういう技術的な面以上に、社会調査士の勉強や社会学科の講義を通じて、偏った意見に惑わされない視点、疑問をもって考えていく姿勢を身に着けたことが大きいと思います。新聞などを読み、自分で問いを立てて考える姿勢は将来役に立つのかな、と思っています。

吉藤さん 認定社会調査士資格の論文は最低1万字が条件でしたが、書いてみると意外にも苦ではありませんでした。新しく自分のできることを発見できました。無理だと思っていた数学もできるようになりましたし、自分の可能性を見つける機会になりました。

大明さん 論文を書く中で、論理的に考えること、先行研究を引用したり、自分の考えを証明するためにデータを集めて根拠を示すことの大切さを学びました。社会に出ても、自分の考えの根拠を示し、説得力のある説明ができるようになるのではと思います。

様々な困難や壁に立ち向かうことで、
将来、様々な場面で生かすことができるスキルを身につけることができました。

◇ 幅広い学びの社会学部を選択

――なぜ、桃大を、その中でも社会学部社会学科を選んだのですか。
板谷さん
 実は第一志望の他大学の観光学部に不合格になり、何をしたらいいのか頭が真っ白になってしまいました。そこで何かを固定して学ぶのではなく、幅広く学ぶ中で挑戦することを見つけようと、考えを転換しました。社会というと、高校生は歴史、地理や公民などの教科を思い浮かべますが、社会学部は幅広く自分の興味あることを学ぶことが出来ます。他の学部がマーケティングや法律など学ぶ対象が明確なのとは違うのが特色です。また、桃大のWebサイトなどを見て楽しく大学生活が送れそうだと感じ、進学しました。期待通り、後悔の無い、想像以上に自分らしい大学生活ができて楽しいです。
入学後1年半ほどはコロナ禍で大学に行くことが出来ず、大学生になったという実感がありませんでした。対面授業が再開され、「学生生活を楽しもう」と様々な活動に挑戦しています。社会調査士もその一つで、「コロナ禍だから出来ない」から「コロナ禍後の今、やるしかない」と考え、手話部、水泳部、文化サークル連合本部の役員、後輩の学びをサポートする「ピアインテグレーター」、パイプオルガン講習など、多くの活動に取り組んでいます。

吉藤さん 私は高校3年の12月までは専門学校に進むつもりでした。でも、進学してから僅か2年で就職することにためらいがあり、急遽大学進学に進路を変更しました。当時通っていた塾の先生が「性格的に桃大が向いていると思うよ」とアドバイスしてくれ、半分“賭け”のような形で決めました。いま改めて思うのは、「目標を持つと生き生きする性格」の私にとって資格取得にせよ課外活動にせよ、「思い立って何かを自発的にやってみる」学生を精一杯サポートしてくれる制度や教職員の方がたくさんいる桃大に進学したのは正しかったということです。
その後、後期試験で国際教養学部と社会学部に合格しました。高校は国際コースで地域の外国人の防災対策などをテーマに探究学習をしたので、大学では社会学部に進学しました。

大明さん 中学時代から社会科の先生になりたいと思っていました。でも、夏休みも勉強する高校生活の中で、勉強自体はなかなか好きになれず、「勉強嫌いの人間がこのまま先生になっていいのだろうか」と悩みました。そんな時、担任の先生が桃大を勧めてくれました。映画が好きでメディアに興味があったので、社会学部社会学科のメディアデザインモデルの学びに魅力を感じて、推薦入試で入学しました。

様々な経験や体験ができる桃大だったからこそ、
コロナ禍のような環境下でも仲間と刺激し合う毎日を過ごすことができました。

◇ 企業で、海外で飛躍

――卒業後の進路は?
板谷さん
 銀行に就職します。自分の力を発揮して、人を支えることをしたいと考えて、就活に取り組みました。おカネを通じて顧客の人生を支える大きな責任がある仕事である法人営業に取り組みたいと思い、金融機関を目指しました。

大明さん 私は通信会社の営業の仕事につきます。映像メディアの仕事に興味を持っていましたが、自分には特別な技術があるわけではないので、営業を通じて映像の仕事にかかわることにしました。就職するのは自社で映像コンテンツやプログラムを制作する企業で、それらのコンテンツを販売する仕事に取り組みます。
ただ、10年ぐらいは企業で働いて社会勉強してから、教職に就きたいと思っています。教育実習をしてみて、自分は子ども好きだということを再確認しましたし、勉強が苦手な者だからこそ教えられることがあると思えるようになりました。先生になる夢は持ち続けています。

吉藤さん 将来は海外で暮らしたいと考えています。卒業後は海外の大学院でMBA(経営学修士)の取得を目指す予定ですが、その前に来年1年間は海外でワーキングホリデーに取り組み、英語力を磨きながら学費を貯めるつもりです。その後はオーストラリアかゼミの先生に勧められたオランダの大学院で学び、海外で活躍する人生を送ることが目標です。

卒業まであと僅か。
残りの時間で更に社会調査に必要な力を磨き、それぞれの次のステージへ羽ばたきます。

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