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バトントワーリング世界大会2位/競技者として、指導者として世界の頂点を目指す

イギリス・リバプールで開かれた2023年IBTF世界バトントワーリング選手権大会(International Baton Twirling Federation主催)ソロトワール女子シニア部門で2位に輝いた国際教養学部4年、塩見華凜さんは選手として、指導者として世界一を目指している。バトンの競技としての厳しさと魅力、将来の計画を語ってもらった。

◇ 5歳で始めたバトン

友人に誘われ、マリ・バトンスクール(本部・大阪市天王寺区)の教室でバトンを始めました。以来、小中高校大学と競技としてのバトンに取り組んでいます。高校までは週7日の練習漬け、今も週5日は平日3時間、休日6時間の練習を続けています。

バトンの技術を磨くのはもちろん、筋トレや体幹トレーニング、呼吸法、バレエやダンスなど苦しい練習に取り組まなければなりません。でも、ミスなく難しい技を成功させるのが面白く、達成感があるのが魅力で、厳しい練習を続けることが出来ました。

バトンとの出会いは、5歳のときだった

競技として取り組んでいるのは1本のバトンを使って演技する「ソロトワール」という部門です。技の難易度を競い、バトンを高く投げるパワーと、技の切れの両方が求められます。瘦せすぎるとバトンが上がらなくなり、体重が増えるとパワーは出ますが体の切れが悪くなるので、高校時代から体重は不変です。
特にダイエットすることはありませんが、大会前は「何時に起床し、何を食べたか」など1日のスケジュールを報告させられます。

アスリートとして、技術力だけでなくコンディションにも気を使う

◇ 高校でも世界大会出場

高校2年の時に、全日本選手権を1位通過し、フランス・リモージュで開かれた世界大会の出場権を得ました。ところが世界大会2か月前にふくらはぎの筋肉を断裂する大けがをし、「無理に出場すると選手生命を失うかもしれない」と言われましたが、どうしても参加したくて、強行出場しました。
座ってする技を取り入れるなど演技を工夫しましたが、7位にとどまりました。

初めて手にした世界大会、「何としても出場したかった」

大学入学後は週2回の休みをとるなど、体調管理にも気をつかうようにしています。練習は苦しいことばかりですが、大学入学後は後輩の指導もするようになり、「尊敬される指導者でありたい」と生徒の前でも努力を続ける姿勢を示すようにしています。

日本のバトンは世界最高の水準にあり、日本代表になるのも容易ではありません。2023年大会の全日本選手権でもトップではありませんでしたが、代表権は獲得しました。

競技中の塩見さん

◇ 世界大会の盛り上がりを楽しむ

リバプールの世界大会は観衆の拍手、歓声などが日本の比ではない盛り上がりようで、私は気分が乗って緊張することなく演技が出来ました。
予選では投げ上げたバトンのキャッチを簡単な方法にするなど、少し守りに入った演技をしましたが、決勝では自分で考えた通りの構成・振付に戻し演技できました。10点満点の9.05と自己最高の得点で2位になりました。

会場の盛り上がりも味方につけ、自己最高点で世界第2位に輝く

バトンに関しては決して褒めてくれなかった母が応援に来て、初めて褒めてくれたのがとてもいい思い出です。世界選手権2位になったことで、大阪府教育委員会の優秀選手賞と大阪市スポーツ協会のスポーツ功労表彰もいただきました。

世界大会2位の好成績を、大阪府教育委員会と大阪市スポーツ協会からそれぞれ表彰された

◇ 選手として指導者として

大学卒業後はマリ・バトンスクールのインストラクターとして後進の指導に当たり、選手としても世界一を目指して努力を続けるつもりです。
今、小学1年から大学1年までの約20人を(競技を目指す)アスリートコースで指導しています。「華凜先生みたいになる」と目を輝かせている子もいるので、将来は生徒も世界大会出場に導きたいと思います。

「華凜先生みたいになる」と目を輝かせている子どもたちを、当時の自身と重ねながら指導している

マリ・バトンスクール主宰者の高見真理子先生の娘の高見亜梨彩さんは世界大会で優勝し、現在はアメリカ・ラスベガスで上演されているシルク・ドゥ・ソレイユ(Cirque du Soleil)のショーに出演しています。バトンには舞台芸術の面もあり、私も元宝塚の方と共演したりしています。競技より長く続けられる舞台の世界でも活躍したいですね。

韓国語に興味があったので、国際教養学部に進学しました。韓国にはバトン協会がまだないのですが、機会があったら韓国でバトンの指導をしてみたいと思っています。

競技者として、そして指導者としてこれからも世界の高みを目指す

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