岡山から桃大へ。学費も生活費も自ら賄った大学生活――人生と切り離せない「お金」を扱う銀行員として、地元の生活を支える
◇ 銀行員として
岡山県が地盤の金融機関、株式会社中国銀行で、お客様の口座開設や、相続のお手続き、投資信託のご相談など、お客様のご要望に合わせた多岐に渡る仕事をしています。私はまだまだアシスタントという立場なので、先輩に同行しスキルを学ぶことも大切な仕事の一つです。
もともと金融業に携わりたいとうっすらと考えていました。就活が本格化していくなかで、自分が一番何をしたいのかを軸に考え、「〇〇の会社に入って貢献したい!」という気持ちよりも、自分の勉強になる仕事がしたいと思うようになりました。その中で自分の人生と切っても切り離せない「お金」という分野を最前線で学べる銀行が面白いと考え、今の仕事を就職先に選びました。実際に仕事をしながら学ぶことで、自分の知識・経験を蓄積する一方で、お客様への情報提供やサービスとして還元できればと思っています。
◇ 岡山から桃山へ
岡山県岡山市出身です。高校では、進学コースに通っており、いろんな大学や学部を知る機会が多く与えられていたように感じます。その中で面白いと思ったのが、経営学、経済学、法学でした。3つを同時に学べる学部があればいいのにと思いましたが、そのような学部はないので、一番興味を持った法学部を選び、選択科目として経営学、経済学も学ぶことができればいいなと考えました。桃山学院大学(以下、桃大)は社会科学系総合大学として、法律、経済、経営学が同じキャンパスで学べるため、意欲があれば法学部にいながらにして、他の科目を学ぶことができることを知り、桃大に進学を決めました。
入学後は、在籍する法学部に関連する授業のほか、マクロ経済学や地方経済論、経済学史といった経済学の授業も多く受講しました。
◇ 法学部の学びを生かす
法学部の先生方はとても面白い授業をされる方ばかりでしたが、特に江藤先生の授業はとても印象に残っています。法律の事例について考えさせてくれる先生で、過去に正しいとされていた法律が、数年経った後には間違っていることもあると、多角的な視点から物事を見る力を養わせてくれた先生でした。
法学部の基礎的な知識は銀行でお仕事をする上で役に立っている部分も多くあります。例えば、 銀行では、相続のお手続きや遺言信託などのご相談を受ける場合もありますが、知識が全くないのと、大学在学中に少しでもその分野について触れていたのとでは、法律理解に大きな違いが生まれると思います。在学中に全ての法律知識を覚え、身につけるのは難しいことですが、法律に触れ、慣れているだけでもアドバンテージになると考えています。
◇ 仕送り無しの学生生活
私は大学に進学すると決めてから、一人暮らしの費用も学費も全て1人で賄うと覚悟を決めていました。この信念を持って進学し、大学4年間一度も両親から仕送りをもらうことなく大学生活を終えることができました。アルバイトは飲食店で4年間働き、2年目から責任者をしていました。学費は一部奨学金で補っていましたので、就職してから返していこうと考えています。
この考えが基盤にあり、「大学で勉強する」ということにどれほどのお金がかかっているのかを身をもって知っていたので、大学のうちに取れる資格は取っておこうという気持ちでした。その中で教員免許を選んだのは、おそらく高校生の頃に尊敬していた先生の前職が銀行員だったということが(銀行員を目指す)自分と重なっていたからかもしれません。もともと教員になるということはあまり視野に入っておらず、金融業に携わりたいと考えていましたから。
◇ 学友と支え合い教員免許を取得
あまり計画的な学生ではなかったので、少し無謀な時期に教員免許を取ると言い出し、先生方も周りの友人も慌てさせるような行動に出ましたが、周囲の協力もあり取得することができました。こうした挑戦にも協力してくださる桃大は、手厚いサポートをしてくれる先生方ばかりだったように感じます。良い意味で自由に学ばせてくれた学校だったからこそ、自分自身の行動には責任を持ち、成長できたのだと思います。
教職課程で友達と出会ったことが、在学中一番の思い出です。私の学生生活はコロナ禍と重なったため、2年次、3年次は自宅学習を余儀なくされ、岡山から大阪に出てきた私は友人があまりできませんでした。しかし、教職課程を受講するようになってから同じ目標に向かって努力する友人がたくさんでき、今でもその中の数人とは連絡を取り合って近況報告をしています。時に1人で目標に向かうことも必要ですが、仲間、友人と支え合い、結果を共有しながら切磋琢磨することも大切だと気付かされました。
◇ 後悔の無い4年間を
「大学生は人生の夏休み」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。大学生は時間が多く、自由で、今後このような機会はもうないという意味だそうです。この皮肉めいた言葉を私も高校生の頃聞かされていました。しかし、大学を卒業した今、大学生時代を振り返って「大学生は人生の夏休み」なんて私は思えません。
大学生は子どもでも大人でもない微妙な期間で苦悩も世間が思うよりも多いと思います。暇であるか忙しくあるかは、何を学ぶかによると思います。本番や勝負所にとことん弱い私でしたが、頑張ったことも怠けたことも全部自分に帰属する「自己責任」という意識を強く持つようになってから全てがうまく行ったように感じます。後悔もなくなりました。皆さんも長く短い4年間、自分と向き合い忙しく成長していってください。