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阿倍野で育ち、阿倍野で学び、阿倍野で起業へ/あべのっ子、近藤渚の挑戦

大阪市阿倍野区で育ち、大阪・あべのキャンパスのビジネスデザイン(BD)学部で学ぶ近藤渚さんは、大学と地域のつながりづくりや町おこしの活動に取り組んでいる。
SNSを活用して地域のイベントや店の情報などの発信を手掛け、将来は阿倍野でSNSマーケティングの会社を興すことを目指す。すでにDX(デジタルトランスフォーメーション)やSNSマーケティングのベンチャー企業でインターンシップを始め、「阿倍野で何ができるのか」を具体的に考える「解像度」を上げ、起業に向けて着々と歩みを進めている。

生れも育ちも阿倍野区。
「あべのっ子」の近藤さんに、あべのに対する想いを語っていただきました。

あべの愛で活動

私は生まれてからずっと21年間、阿倍野区に住み、阿倍野区が大好きです。せっかく阿倍野区の大阪・あべのキャンパスにいるのだから、他のBD学部生にも「阿倍野に愛着を持ってほしい」と思っていました。一方、BD学部(2021年設置)の存在が地元・阿倍野区の人たちにまだ広く知られていないという思いもありました。

地域の人たちに知ってもらうには「地域のイベントに出店するのが良いのでは?」と考え、今年3月、4年次の先輩と地域のイベントにボランティアとして参加する「B to Aサークル」を結成しました。Bはビジネスデザイン学部(BD)、Aは阿倍野です。あべのキャンパス最寄りの昭和町駅周辺で昭和の日(4月29日)に開かれている、「どっぷり、昭和町」というイベントに出店しました。

BD学部には起業や地域活性化に挑戦しようと考える学生が集まっています。「自分のやりたい活動を、阿倍野で叶えてみたい」と思っている学生は多く、当初は私を含めて5人のサークルでしたが、現在は17人までメンバーが増えました。

春に出店した「どっぷり、昭和町」をきっかけに、サークル「B to A」は誕生した。

SNSを使って地域活性化に取り組む

サークルの仲間と、大学周辺のお店を動画で紹介しています。ジェラート屋さんやおにぎり屋さんなどで、商品を購入する場面やおすすめメニューの食べ比べなどの動画を撮影・編集して、Instagram(インスタ)やYouTubeで発信しています。大学生など若者世代は、お店の商品やサービスの情報を、インスタなどのSNSで探しているので、私たちの取り組みがお店の経営にも地元住民の暮らしにも役立つ情報になっていると思います。

サークルのメンバーとは、キャンパスで顔を合わせればアイデアを出しあう。

また、「阿倍野区まちづくりセンター」とコラボして、地域活動に取り組んでいる団体向けに、チラシ作りに役立つアプリの使い方講習会も開催しました。中高年の方は回覧板や掲示板を使って広報されていますが、子育て世帯などの若い世代に発信していくには、デジタル機器やSNSなどの活用が必要です。私たち若者世代には当たり前の知識、ノウハウを幅広い世代の方々に伝えることにも力を入れたいと思っていて、私たちの活動を耳にされた豊中市からも依頼をいただき、今年12月に豊中でも講習会を開く予定です。

頻繁に情報収集のため訪れる阿倍野区まちづくりセンターでは、職員さんとも顔なじみに。

価値あるものを世の中に広めたい

高校時代までは、「企業で働いている人=ものを作って世の中に販売している人」というイメージでした。企業で活躍している人を紹介する「カンブリア宮殿」「ガイアの夜明け」などのTV番組を見て、価値あるものを生み出し世の中に広めることに取り組みたいと考えるようになりました。ガソリンスタンドを経営していた祖父の影響かもしれません。

桃大のWebサイトで見つけたBD学部が私にぴったりだと感じ、経営学や顧客心理を学ぼうと総合型選抜の入試を受験しました。「過疎地域を活性化するビジネスプランを考えてください」という入試のプレゼンテーションでは、移住体験スペースや釣り堀・キャンプ場などの誘客スペースを作る案を発表しましたが、考える過程も面接官の先生との質疑応答も楽しくて、私のための学部だと確信して入学しました。

新しい価値を生み出し、世の中に広める取り組みに興味があった近藤さん。
「BD学部は、そんな私にぴったりな学部でした。」

入学直後から学外のボランティア活動や地域イベントに積極的にかかわっています。お年寄りにスマホの使い方を教えるボランティア活動に参加し、地域の夏祭りなどの活動にも取り組みました。運営している方々の熱意や温かさ、つながりに触れ、阿倍野で活動していきたいと強く感じました。個人でも「どっぷり、昭和町」に出店して手作りお菓子を販売しました。参加希望団体が多くて狭き門なのですが、地元への思いを熱く伝えたところ主催者の方に応援してもらえました。「食品衛生責任者」の講座を受講して資格を取り、米粉を使ったクッキーを作って販売しました。
これらの活動を通じて、地元・阿倍野への思いがより明確に強くなったと思います。

起業目指してインターン

大学3年次になると、就職のことを考えなければなりません。私は「自分で考えて裁量権を持って働けるところ」をIT業界専門の求人サイトで探し、大阪市北区の「株式会社メイト」で8月から長期インターンに取り組んでいます。SNSマーケティングやDXを手掛ける社員10人ほどのベンチャー企業です。学生の応募が多く、面接で阿倍野への思い、SNSマーケティングで起業したいという考えをお話しし、他大学の学生とともにインターンに採用されました。

SNSマーケティングを学ぶため、ベンチャー企業で長期インターンシップに取り組む。

クライアントは不動産や美容外科、人材派遣など多彩で、私は不動産業のTikTokを主に担当しています。物件の動画を撮影し、説明のナレーションも入れて編集して配信します。アクセスの解析などもして、どうしたら契約につながるか考えます。週3回、出勤し、DXの仕事も手伝っています。
企業の業務としてSNSマーケティングに取り組むことで、将来、阿倍野で起業するときの内容や手法について、より詳しく「解像度を上げて」考えることが出来るようになっていると思います。卒業後もSNSマーケティングの仕事で実績を積み、生まれ育ち学んだ阿倍野で起業できるように頑張っていくつもりです。

大好きな阿倍野を「元気なまち」にするため、近藤さんの挑戦は続く。

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