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信用金庫から税理士事務所へ――税理士目指して勉強の日々

 高校時代から金融機関にあこがれていましたし、社会のこと、おカネの流れをわかりたいと考え、経済学部を志望しました。姉が桃山学院大学で中国語と中国経済を学んでいたので、私も桃大に入学しました。金融機関への思いは「カッコいいし、給料もよさそう」という漠然としたものでしたが、大学入学後に参加した香港のインターンシップでの経験で金融機関志望が固まりました。

◇ 香港のインターンシップで決意

 3年生の春に香港のフードエキスポで滋賀県の製茶会社のお手伝いをしました。出展した和紅茶などの商品が品評会で入賞し、各国のバイヤーが商談に押しかけてきました。メーンバンクの滋賀銀行の方も来られ、経営者の方が「滋賀銀行のおかげで参加できた。この人がいなかったら、海外販路拡大のチャンスはなかった」と感謝しているのを見て、「いい仕事やなあ」と憧れを抱きました。会社同士の取引に興味を持ち、金融機関志望が固まりました。
 採用されたのは大阪市内に本店がある信用金庫で、融資課に配属されました。仕事はやり甲斐がありましたが、コロナ禍で売り上げがほとんどなくなった旅行業やイベント会社などの融資申し込みを断らなければならないことがありました。金融機関としても貸出金回収の見通しが無ければ、融資することはできないのです。また、生活費をフリーローンで借りに来られるお婆さんがおられ、返済が滞ったことがあったため次回の融資申し込みをお断りせざるを得なかったときの表情は忘れられません。

後輩の授業にゲスト講師として参加した椿さん。
おカネに関する仕事の難しさや面白さについてレクチャーされました。

◇ 顧客に寄り添う税理士目指す

 金融機関が融資を断ったら、それ以上の支援はありません。そこで、公的な制度を活用した手助けの方法があるのではないか、と考えるようになりました。また、金融機関は大きな金額を扱うので、私が融資、入金を実行すれば実際に大きなおカネが動きます。毎日の緊張感・ストレスは強いですし、ピリピリした空気が張り詰めています。そのような状況のなかで、追い詰められた気持ちになったこともあります。そこで転職を決意し、簿記が好きで勉強していたので、税理士を目指すことにしました。現在は大阪市内の税理士事務所のスタッフとして働いています。
 所属している事務所は税理士2人、スタッフ10人ほどです。大手の税理士法人と違って、顧客企業は日々の会計処理を自ら行う余裕すらなく、税理士にすべて委託することが多いです。そこで私は、顧客企業の通帳の写しと日々の支払いの領収書で資金の流れを把握し記帳する「仕分け業務」を行い、税の申告の準備も行います。その期の利益水準が見えてきたら、納税額を抑える合法的な手段も検討します。

◇ 国際的な情報にも目配り

 税理士試験は合格率10%程度という難関で、合格まで10年かかるとも言われているそうです。準備の勉強は大変ですが、面白いしフレッシュな気持ちで臨んでいます。今年30歳になりますが、35歳頃までには税理士資格を取りたいですね。
 桃山学院大学を選んだもう一つの理由は海外留学や研修の機会が多いことです。在学中、香港以外にもマレーシアで1か月の英語研修と日系企業訪問、米国の学生に日本文化を紹介するプロジェクトで2週間滞在など、体験を積みました。経済は、日本だけでなく世界の動きも把握しないと正確な理解はできません。顧客の中小企業も海外との取引と無縁ではないので、海外の動きにも注目していきたいと思っています。また、今話題のインボイス制度など政府の政策についても顧客にとってのメリット、デメリットを正確に把握して伝えなければなりません。
 趣味のミュージカル鑑賞で感性を磨き、もう一つの趣味の筋トレで培ったストイックさで、顧客を支える税理士を目指します。

桃大での経験を生かし、税理士試験の合格を目指します

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