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幼いころからあこがれの消防士に

◇最若手の指令課員として現場出動を指令

 今年(2023年)4月から泉州南広域消防本部の指令課で勤務しています。大阪府南部、泉佐野市、泉南市、阪南市、熊取町、田尻町、岬町の3市3町から入電する119番通報を受けて、救急隊や消防隊に出動を指令するのが業務です。25人いる指令課員の最若手ですが、過去5年間の消防隊や救急隊の活動の経験を生かして、取り組んでいます。

指令課員の最若手として、119番通報に対し的確な指令を出す

 消防士は幼いころからの憧れでした。幼稚園生のころ、消防士か警察官、大工になろうと思っていたので、その夢を実現したことになります。高校時代は兄の影響で始めたラグビーに打ち込み、消防士か警察官になるために法学部のある大学の中から、スポーツ推薦をいただけた桃山学院大学に進学しました。

◇ラグビーで体力、アルバイトで対人力磨く

 大学時代はラグビー部の活動とアルバイトに打ち込みましたが、就活で忙しくなる4年生に備えて、3年生までにほとんどの単位を取るよう、勉強にも力を入れました。ラグビーは週5回(大会前は週6回)の練習に打ち込み、メンバーもよい仲間で、充実した4年間でした。ポジションは身長189センチの体格を生かせるフォワードのロックで、ラグビーで培った体力は今でも私の強みになっていると思います。

桃大ラグビー部では、体格や技術を生かし活躍

 アルバイトは1、2年生の時が居酒屋、3、4年生ではスーパー銭湯でした。居酒屋では厨房中心に時には接客も行い、スーパー銭湯では水質検査や(サウナで熱風を送る)ローリューなどいろいろな仕事を担当しました。3年までに単位をほとんど取得していたので、4年の時には学内で体育館の受け付けのアルバイトもさせてもらいました。アルバイトを通じて様々な人たちと交流したことは、現場で多くの人とかかわる消防士の仕事に役立っています。

◇3年次から学内の公務員講座で準備

 公務員試験の勉強は大学3年生から本格的に始めました。公務員試験対策の予備校の講師による公務員試験講座が学内で開講されていたので、受講しました。4年生になると、ラグビー部の練習後などに図書館にこもり、公務員講座のテキストを読み、実戦問題を繰り返し解いていました。公務員の仕事は法に基づいて行うものなので、法学部で学んだ法律の知識、考え方を身につけていることは重要ですが、それに加えて公務員試験では法律だけでなく一般教養など幅広い知識が問われます。私は英文や古文の読解が苦手で、初めは苦労しましたが、大阪府警と泉州南消防組合の試験に合格しました。兄は大阪府警の警察官になっていますが、私は後で述べるように救急隊員を目指していたので、消防士の道に進みました。

◇救助大会の選手として訓練も

 勤務は午前9時から翌朝9時までの24時間・2交代制です。途中7時間の仮眠時間がありますが、仕事が残っていてなかなか7時間フルに眠ることはできません。2交代制の勤務は体力的にきつかったですが、慣れていきました。勤務明けの日はしっかり休養して次の勤務に備えます。ただ、現在は救助の技術を競う大会の選手に選ばれているので、勤務明けにロープの昇降や高所に張ったロープ渡りなどの訓練が待っています。

 これまで岬消防署、泉佐野消防署、阪南消防署で勤務してきました。救急出動指令があったら救急車、出火時は消防車で出動するなど、勤務は多岐にわたり大変でしたが、多くの仕事を経験できたことは良かったです。車両火災で車内に取り残された方を助けることが出来なかったことなど、つらい経験もありますが、技術と体力を磨き、社会に貢献したいと思います。

現場での経験が、今の指令課員の仕事に生きています

◇父を救ってくれた救急隊員を目指す

 当面は指令課の仕事に打ち込み、円滑な消防・救急活動に貢献していきたいと思いますが、将来は救急救命士の資格を取得し、救急隊員として活動することを目指しています。大学3年の時、父が自宅で脳卒中のために倒れ、救急隊員の方にお世話になったことが大きなきっかけです。事故や急病の時、動転している本人や家族にとって、的確に対処してくれる救急隊員はとてもありがたい存在であると痛感しました。わたしもそのような救急隊員として困難に直面している人を助ける役割を果たしたいと考えています。

 現在、泉州南消防組合には桃山学院大学OBが私を含めて10名以上在籍していますが、私より後輩はいません。桃山の後輩が入ってきてくれたら嬉しいですね。私の時で倍率は8-9倍でしたので、簡単ではないかもしれませんが、日ごろから体力を鍛え、公務員になっている先輩から面接の内容などを聞いて準備してください。後輩の皆さんが後に続いてくれることを楽しみにしています。

将来は、救急救命士の資格取得も目指している

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