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原点は、「困っている人を喜ばせる」こと。日本初のリモートユーザーテストサービス【株式会社プロジェクトカンパニー】

アプリやWEBサービスの使い勝手、改善点などを洗い出す際に行われるユーザーテスト。従来は人を集めてその場でテストしてもらう直接的な方法で行われるが、費用もかかり、場所や時間な どの制約がつくなど手間のかかるものだった。桃山学院大学 国際教養学部の卒業生である平石大祐は、それをオンライン上で行うシステムを開発し、テストユーザーと開発会社の双方にプラスの効果を生み出した。

アンケートやデータでは測れないユーザーの本音を引き出すために

在学中からI T企業でアルバイトをし、卒業と同時に起業。2018 年6月まで株式会社InnoBetaの代表取締役社長として、リモートU Xリサーチのシステム構築を手掛けてきた。その中で誕生したのが、日本初のスマホに特化したユーザビリティテストサービス「UIscope」だった。具体的には、協力してくれるテストユーザーに外付けのカメラを配布し、手元を撮影してもらうことで実際にアプリ使用中の様子を動画で閲覧できるようにするというもの。自宅で行うため、ユーザーからは各アプリの使い勝手や個人情報入力の工程で感じることなど、無意識レベルの深層心理を聞き出すことができる。結果、商品改善につながる思いもよらぬ発見があるなど、アプリの開発側とユーザーとのマインドの矛盾を洗い出すことに成功。クライアントはEC 、メディア、ゲームなど多岐にわたり、200社以上が導入するまでになった。
元々、UIscopeは問題を抽出することにフォーカスするツール。今後、さらにその先にある「課題解決」を提案していくため、今年の6月、事業統合という形で「株式会社プロジェクトカンパニー」に入社。現在はリサーチ事業部の部長として、引き続きU Iscopeの新たなサービス展開を進めているところだ。

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アイデアを形にするユーザー視点とスピード感

大学生の頃から「何か新しいサービスを生み出したい」と考えていたという平石。アメリカとイギリスに留学した際、パソコンを使ったWEBサービスに触れ、日本でもできないかと考えたのがそもそものきっかけだった。当時、スマホのアプリを作る会社は飛躍的に増えてきていたことから、それらをサポートしたいと考え、ユーザビリティテストサービスが閃いた。ただ、画像でアンケートに答えてもらうだけなら臨場感がない。クライアント側に「これはいい!」と言わせるには何が必要かを模索し、オンライン上で実際に使っている操作シーンをアップすることに辿り着いた。ただし、アイデアは浮かんだが、プログラミングができるわけではない。そこで諦めないのが平石流。即座にビジネスマッチングのサービスでパートナーを探し、即座にUIscopeの開発に着手した。ビジネスプランのコンテストに出場し、ベンチャーキャピタルからの投資を受けることにも成功。軌道に乗るまで1年ほどを要したが、使い方を知ってもらうイベントやセミナーを行い、リピーターも増えるようになっていった。
モノの価値が「機能」から「体験」にシフトしていく中、「ユーザー体験を可視化し、プロダクトの価値を最大化する」というのが、InnoBeta立ち上げから持つ平石の考え方。プロジェクトカンパニーは2021年の上場をめざしている。そこに向けてUIscopeを会社の顔として大事な商材に育てることを目標にしつつ、また新たなチャレンジの芽を見つけ、世界の人が使ってくれるサービスを生み出すことが今後の目標だという。そこにあるのは、「自分がつくったサービスで課題が改善されて、困っている人を喜ばせたい」というシンプルな思い。この原点思考と未来志向の絶妙なバランスが、また新たなビジネスを生み出していくのかもしれない。

【リモートユーザーテストサービスとは】
従来は人を集めてアプリやWEBサービスの改善点などを洗い出す「テストサービス」を、オンライン上で行う日本初のサービス。テストユーザーにカメラを配布し、手元を撮影。アプリ使用中の動きを動画で閲覧でき、無意識レベルの深層心理を聞き出すことができる。これまでに200社以上が導入。

(※この内容は2018年6月取材時のものです)



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