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公認会計士試験に3年次で現役合格

企業の財務諸表の公正さを保証する財務監査、税務、コンサルティングなど経済社会に欠かせない役割を担う公認会計士。経済学部の中西裕人さんは、司法試験と並ぶ最難関の国家資格試験である公認会計士試験に3年次で合格しました。難関に挑戦した動機や合格の秘訣などを語ってもらいました。

◇ 簿記への関心が出発点

指定校推薦で高校3年の秋に桃山学院大学(以下桃大)経済学部への合格が決まったこともあり、高校在学中に簿記の勉強を始めました。大学での学びのほか、社会人になったときに簿記の知識が役に立つ、就職にも有利だと聞いたからです。

小学5年生から高校まで野球に打ち込み、正直言って勉強はあまり好きではなかったのですが、教科の中では比較的数学が得意で数字に抵抗感が少なかったことも、簿記に挑戦した理由です。母に頼んで資格試験の専門学校に週2回通い、高校3年の2月に日商簿記検定2級の資格を取得しました。

簿記を学んでみると、企業の財務状況を示す貸借対照表の貸方(負債・資本)と借方(資産)が必ず一致すること、実際に仕分け(取引などの記帳)をしてぴったり一致したら気持ちがいいことから、簿記の面白さにはまりました。指定校推薦で早くに桃大入学が決まり、入学までの時間を有効に使いたいと簿記の勉強を始めたことが資格に挑戦するきっかけになったので、「運」のようなものを感じています。

現役合格に至るまでの取り組みについて話す、中西さん

◇ 幅広く活躍できる最難関資格に挑戦

簿記をもっと深いレベルで学びたいと考え、桃大入学後は、財務会計や国際会計といった専門的な授業で学ぶ一方、公認会計士の資格試験対策として、母に頼んで1年次の9月から専門学校の公認会計士コースに通いました。会計系の資格には税理士もありますが、公認会計士は税理士の仕事もできますし、財務監査は公認会計士の独占業務、企業などのコンサルタントもできるなど、活躍の幅が広いから挑戦しようと考えました。

公認会計士試験には、監査論、企業法、財務会計論、管理会計論、租税法と選択科目の6科目があり、私は将来コンサルタントとして活躍したいと考えて選択科目は経営学を選びました。大学の講義では公認会計士試験に関連する科目を選び、財務会計論、簿記、会社法などの科目を受講し、公認会計士試験と大学の単位取得の両立を図りました。ゼミも先生ご自身が公認会計士でもある経営学部の小澤義昭ゼミ(経営分析)に入りました。私は経済学部の学生ですが、所属学部以外の学部のゼミや講義を取れるのは、桃大の良いところです。

◇ 2年計画で猛勉強

在学中に何としても合格しようと、最初は週3日、のちには週4~5日は資格試験の勉強をしました。サークル活動などには参加せず、大学の授業とバランスを取りながら学習しました。大学の講義がない日は、朝から試験対策の勉強をする毎日でした。

大学卒業に必要な単位の多くは公認会計士試験に合格した後に取る計画でしたので、2年間で公認会計士試験に合格しないと、卒業単位の取得と公認会計士試験準備を同時並行で取り組まなければならず、卒業が難しくなります。それに、苦しい受験勉強をもう1年することは無理だと思ったので、何としても2年で合格するんだ、という強い気持ちで取り組みました。厳しい練習を続けた野球で鍛えた忍耐力や集中力も生きたと思います。

大学の授業とバランスを取りながら、2年間猛勉強した

◇ 信頼される公認会計士に

昨年12月の一次試験(短答式)に合格し、今年8月の二次試験(論文)を受験し、11月17日に合格発表がありました。今年の合格率は7.6%だったそうです。難関試験に合格し、母や先生、友人らがとても喜んでくれました。桃大からは難関の資格試験合格に対する奨励金をいただけるので、専門学校費用のほとんどを母に返すことができ、少しは親孝行ができたかと思います。

公認会計士資格は大学卒業が条件ではありませんが、桃大を卒業したいと思っています。公認会計士試験中心の生活で、大学の取得単位はまだ少ないので、これから卒業に向けて大学の授業に集中しなければなりません。学業に集中しなければなりませんが、友人との交流など残りの学生生活を楽しみたいです。

試験に合格したばかりで、どのような会計士になるのかまだイメージはわきませんが、大手会計事務所に入ってキャリアをスタートしたいと思っています。上場企業などの監査で経験を積み、いずれは経営者に信頼されるコンサルタントの仕事に挑戦したいと考えています。

特に優れた成績を収めた者として、2023年度学生表彰を受賞

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